2022/06/22 14:37
『阿吽』は、インドのサンスクリット語に語源をもち、「阿」は口を開いて発する最初の字音であり、
「吽」は口を閉じて発する最後の字音で、そこから万物の始源と終極を象徴するものとみなされていました。
大きなお寺の門の左右には、仁王さまが安置されていることがありますが、この二体は形が違っています。
向かって右側は「金剛像」(こんごうぞう)といって、口を大きくカッと開いていて「阿形仁王」(あぎょうにおう)ともいわれます。人間は誕生の時、「あー」と産声をあげるということから、ものごとの始まりを意味しています。
向かって左側は「力士像」(りきしぞう)といって、口はキリッと結んでいて「吽形仁王」(うんぎょうにおう)ともいわれます。人間は死ぬ時、「うーん」といって死んでいくということから、ものごとの終わりを意味しています。
阿吽には人の生き方についての戒めも含まれているのです。ちなみに、あいうえお五十音が、「あ」に始まって「ん」に終わるのも、この阿吽が起源なのです。